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土地活用

2012/5/29

仕様選定の基礎講座

長らくお待たせしました。暫く更新するつもりもなかったのですが、
久々の更新です。。。

究極の土地活用には、土地の最大活用と、建設コストの最適化が必要と
これまで、書いてきました。

土地の最大活用とは、土地のポテンシャルを最大限発揮し、
コスト面でのスケールメリットを最大限享受するするために、
必要なことで、プロの開発業者であれば、問答無用に、そこを探求します。

一方で、建設コストの最適化とは、簡単なようで、
実際には、まともにできていないケースもあるようです。

根本的な考え方として、
コストの最適化で仕様変更による目先の減額に目を奪われると、
長い目で見たときに、多額の利益を毀損します。

長い目でみるとは、少なくともローンを完済するまでの話です。

中には不動産会社や設計事務所等のプロの施主相手であれば、
絶対に通用しないような間違いを、
平気でしているようなこともあるようです。

まず私が思うに、雨を疎かにする、断熱を疎かにするVEは、
愚の骨頂です。

ここは、建物に必要な基本性能ですから、
必要な金額を投資すべきです。

防水について、屋根に手を抜くことは常識ではありえませんが、
良く見落としなのが、開口周りの2重シール、
1階でも土接する部分の防水です。

ここらへんは、図面には大体記載されていませんが、
積算の際は、図面に記載されてなくても、数量を計上しなくてはなりませんし、
水の納まりが、悪い図面については、納まりを修正指示したうえで、
見積もらなくてはなりません。

次に、断熱です。

今は、300岼幣紊侶物には、省エネ法が適用されますので、
断熱はやらなくては、処罰対象になりますが、
これ以下の建物において、稀に、断熱をしていない建物が散見されます。

省エネ法適用基準外の規模であっても、
居住性や世の中の省エネという流れを考えた場合、
建物に水道が必要なように今や絶対的に必要な工事です。

300岼焚爾涼杷工事でしたら、コスト的に、
2回施工で36−7万が断熱工事の原価となります。

内断熱にすれば、これにボードやクロスも加わりますが、
1500円/崢度です。

昔、断熱塗料を屋根に施工したことがありますが、
壁にあまり流行らないのは、
断熱塗料の値上がりした単価差とボードクロスの単価は相殺出来る程度のものだからと思います。

また、良くないVEとして妻壁(雨が掛かる壁)に、
白系の吸着性の高い塗料(特にジョリパットやリシン)を使うことです。

初めの数年はカッコ良いですが、
3年も経てば、雨だれが、付いてみすぼらしく見え始め、
10年も経たずに見るに堪えない建物になるでしょう。

こちらの、建物では、全体のバランスや南欧風というイメージから、
アクセントで白い塗料を使っていますが、
使用している範囲は、雨のかからない壁か、
こまめに汚れの取れる脚立で届く範囲です。
面積も最小にとどめた上で、使用する材料は撥水剤です。


それでも、物件を見に行くと、雨だれが気になり、
脚立とスポンジで拭き取ってやろうかと思うことも、
しばし。。。

「壁に白を使ってよいのはお金持ちだけ」
という、言葉もあるように白を維持するには、
コストがかかります。

確かにタイルより、塗料の方が安いですが、
高くてもタイルに勝てる外壁は無いと思っています。

打ち放しについては、好みがあるとは思いますが、
綺麗な仕上がりを見る分には良いけど、リスクが高すぎるので、
施工者側の本音は極力やりたくありません。

先日、引き渡した物件は、打放し部分の足場をばらした後に、
仕上がり具合が私が求める水準に達していなかったので、
再度、足場を架けさせ、直して頂く羽目になりました。

私は、現場上がりですし、足場を再度架け直して、
完璧に直す費用や、現場監督のこれまでのご苦労などずっと見てきて、
迷いましたが、心を鬼にして、
「施工者としてのプライド・看板を掛けて、お施主様に長い間感謝される建物を引き渡してください」
と、再施工を依頼しました。

結果、完璧に直してお渡しすることができましたが、
生コンの中に素手で手を突っ込んで、
土工と一緒にバイブを持ったり、木槌を持って走り回っていたような
人間ですから、打ち放しの難しさは、十分解っています。
(会社からも、相当言われているでしょうし。。。)

デザインのポイントとして、やるにしても、
コン打ちの集中力が保てるように、
面積は極力絞りたいところです。

設計段階で、デザインとして、どうしても入れたいのであれば、
駄目であれば、施工者の気持ちなど無視してでも、
徹底的に直させる覚悟が出来ていないのであれば、
仕様から外すべきです。

現場監督だってお金さえあれば、本心は直して良いものを引き渡したいわけで、
社外から強制されれば、完璧に直す技術は持っています。
予算では、会社からあれこれ言われるでしょうけど、
竣工間際の忙しさで萎える気持ちを理解しつつ、駄目な物は駄目と、
プライドを傷付けずに後押しフォローできるかどうかも、
マネジメントとして必要なのだと思います。

次に使うべきではない建材として、
床に白のPタイルです。

若干フローリングよりは安く、写真写りは良いですが、
こんなものはVEでもなんでもありません。

現場監督の最後の物件で、建築家が、これを使い酷い目にあいました。
(現場監督は、社会の仕組上、設計者の命令には逆らえません)

この建材は私にとって悪魔の建材です。

GWの引き渡し前に、3日間雑巾を持って徹夜で、拭き続けましたが、拭いても拭いても、
雑巾むらが、綺麗になりません。

雑巾の糸も落ちたら目立つし、抜け毛も全て目立って見えます。

引き渡し前で、こんな状態ですから、入居者は、
この掃除を永遠にしなくてはなりません。

確かに写真で見れば、瞬間だけは、格好は良いのですが、
今どうなってるのか、考えるだけでも、ぞっとします。

VEとは、一般の方だけではなく勘違いしている建築関係者も多いのですが、
同等以上の性能・機能を持つ中での仕様調整であり、
それは、居住性や、長期の耐久性を損なうものであっては、なりません。

VEの判断基準は、同等レベルのメーカー品を使い賃料が下がらないこと、
耐久コストが上がらないことが条件です。

それを維持した上で、見積もる側に、受注メリットを理解して貰った上で、
論理的な交渉をしてコストを下げていくのが真のコンストラクション・マネジメントです。

それでも、予算が足りなければ、
設計を1からやり直すべきです。

株と一緒で相場には動きがあるので、土地を買って新築をする場合は、
銀行融資枠以外に、現金を絶対に大丈夫なレベルまで保持されていないと、
無闇に手出しするのは危ないと思います。

駆け出しの頃、最も、お世話になった鬼所長が常に言っていたのは、
「建設業は結果が全て」
ということです。

「誰もが良い建物だという建物を、きちんと低コストで引き渡して、初めて、感謝される。」
ということも、おっしゃっていました。

そして、我々建設業者は、お施主様から感謝を頂くことが何よりのエネルギーになります。

何度もこのブログで書いていますが、
収益物件は建った瞬間の写真写りだけを求めて建てて良いものではありません。

ビジネスでもそうですが、建設においても、
目先のコストや見栄だけを見ていると、長い目で見たときに、
大きな利益を取り逃します。

それを肝に命じた上で、お客様の期待に応えるために、
取引先のやる気を起こさせ、
交渉によりコストを下げていく難しさを日々感じながら、
精進していきたいと思います。


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